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叢生crowd

叢生は、歯並びがデコボコ・ガタガタになっている状態です。
見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病のリスクを高める可能性もあります。

叢生(そうせい)とは?歯並びがデコボコになる状態

叢生とは、顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪く、歯が並ぶためのスペースが不足することで、歯が重なり合ったり、捻じれて生えたりしている不正咬合の一種です。
「叢」という漢字が「草むら」や「物が群がり集まる様子」を意味するように、歯がデコボコに密集して生えている歯並びを指します。
一般的には「歯並びがガタガタ」「デコボコ」などと表現される状態がこれに該当します。

乱杭歯(らんぐいば)や八重歯も叢生の一種

「乱杭歯」や「八重歯」も、叢生の一種です。
乱杭歯は、杭を乱雑に打ち込んだように歯が様々な方向を向いて生えている歯並びの俗称で、叢生とほぼ同義で使われます。
一方、八重歯は主に犬歯が外側に飛び出して、他の前歯に重なっている状態を指す言葉です。

これらはどちらも歯が並ぶスペースが足りないことによって生じるため、歯科専門用語の「叢生」という大きなカテゴリに含まれる歯並びの状態です。

あなたの歯並びはどれ?叢生の3つのタイプ

叢生は、歯の重なり具合の程度によって大きく3つのタイプに分けられます。
自身の歯並びがどの段階にあるかを知る目安になります。

軽度の叢生:歯がわずかに捻じれていたり、少しだけ重なっていたりする状態です。

中等度の叢生:複数の歯がはっきりと重なり合い、歯並びのデコボコが目立つ状態です。

重度の叢生:歯が大きく重なり合っている、または歯列から大きく逸脱して生えている状態です。
顎のスペースが著しく不足しているケースが多く、治療の難易度も高くなります。

歯が重なり合って生える叢生の主な原因

叢生が起こる根本的な原因は、歯が顎の骨にきれいに並ぶためのスペースが足りないことです。
このスペース不足を引き起こす要因は一つではなく、先天的な骨格の問題から後天的な生活習慣まで多岐にわたります。

顎と歯の大きさのアンバランス、歯の生え変わり時期のトラブル、指しゃぶりなどの癖が複合的に影響し合い、デコボコな歯並びや悪い噛み合わせを形成していくと考えられています。

顎の大きさと歯の大きさのアンバランス

叢生の大きな原因は、遺伝的要因を含む顎の大きさと歯の大きさの不調和です。
現代人は柔らかい食べ物を多く摂るようになった影響で、昔の人に比べて顎の骨が十分に発達しにくい傾向があります。

一方で、歯の大きさは遺伝的に決まっており、あまり変化していません。
その結果、小さな顎に大きな歯が並ぶことになり、スペースが足りずに歯が重なり合ってデコボコな歯並びになってしまいます。

乳歯が早く抜けるなどの生え変わり時のトラブル

乳歯から永久歯への生え変わりの時期に起こるトラブルも、叢生の原因となり得ます。
例えば、虫歯によって乳歯が本来抜ける時期よりも早く失われると、奥にある歯がそのスペースに倒れ込んできたり、前にずれてきたりします。
その結果、後から生えてくる永久歯が正しい位置に出るためのスペースがなくなり、やむを得ず重なって生えてしまうことで、将来的な歯並びの乱れにつながります。

指しゃぶりや口呼吸などの癖

幼少期の指しゃぶりや舌で歯を押す癖、口呼吸、頬杖などの習慣は、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。
これらの癖は、特定の歯や顎の骨に継続的に不自然な圧力を加えることになります。

例えば、指しゃぶりは上の前歯を前方に押し出し(出っ歯)、下の前歯を内側に倒す原因となります。
また、口呼吸は舌の位置を下げ、顎の正常な発達を妨げることで、歯並びが乱れる一因となります。

叢生を放置すると起こりうる4つのリスク

叢生は単に見た目の問題だけでなく、放置することで口腔内や全身の健康に様々なリスクをもたらす可能性があります。
歯が重なり合っていることで清掃が難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

また、噛み合わせの悪化は顎への負担を増やし、将来的な健康問題につながることも考えられます。
デコボコした歯並びが、心身にどのような影響を及ぼすかを理解しておくことが重要です。

歯磨きがしにくく虫歯や歯周病になりやすい

叢生のリスクとして代表的なのが、虫歯や歯周病の発症率が高まることです。
歯が重なり合っている部分は歯ブラシの毛先が届きにくく、食べカスや歯垢が非常に溜まりやすい環境です。
毎日丁寧に歯磨きをしていても、磨き残しが多くなりがちです。

その結果、歯垢の中にいる細菌が酸を出し、歯を溶かして虫歯になったり、歯茎に炎症を起こして歯周病を進行させたりする原因となります。

食べカスが残り口臭の原因になる

歯並びがデコボコしていると、歯と歯の間に食べカスが詰まりやすくなります。
歯ブラシが届きにくい箇所に残った食べカスや歯垢は、口の中にいる細菌によって分解される過程で、不快な臭いを放つガスを発生させます。
これが口臭の直接的な原因となります。

デンタルフロスや歯間ブラシを使っても完全に汚れを取り除くのが難しいため、叢生は口臭のリスクを常に抱えることになります。

噛み合わせが悪化し顎に負担がかかる

叢生の歯並びでは、上下の歯が正しく噛み合っていないことが多くあります。
特定の歯だけに過度な力がかかったり、食べ物を効率よく噛み砕けなかったりするため、咀嚼機能が低下します。
このような悪い噛み合わせが続くと、顎の関節に余計な負担がかかり、口を開けると音が鳴る、痛みがあるといった顎関節症の症状を引き起こす原因にもなります。

また、一部の奥歯が強く当たることで、歯がすり減ったり、欠けたりするリスクも高まります。

見た目がコンプレックスになる可能性がある

特に前歯部分の歯並びが乱れている場合、それが審美的なコンプレックスになることがあります。
笑顔に自信が持てず、人前で話すときや笑うときに無意識に口元を手で隠してしまうなど、心理的な影響は少なくありません。
歯並びの見た目を気にすることがストレスとなり、円滑なコミュニケーションを妨げる一因となる可能性も考えられます。

矯正治療によって、こうした精神的な負担が軽減されるケースも多く見られます。

叢生の主な矯正治療方法

叢生の治療は、歯を正しい位置に動かして歯並びを整える矯正治療が基本です。
治療法にはいくつかの選択肢があり、歯並びの状態や患者の希望に応じて適切な方法を選択します。
治療法は、従来からある「ワイヤー矯正」と「マウスピース型矯正装置」です。

ワイヤー矯正|重度の叢生にも対応できる基本的な治療法

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通して力をかけることで歯を動かす、歴史のある基本的な矯正治療法です。
幅広い症例に対応できるのが特長で、歯の重なりが大きい重度の叢生でも効果的に治療を進められます。
歯を動かす力の微調整がしやすいため、精密な歯のコントロールが可能です。

装置が目立つというデメリットがありますが、白いワイヤーや透明なブラケットを選択することで、審美性を高めることもできます。

マウスピース型矯正装置|透明で目立ちにくい装置で治療したい方向け

マウスピース型矯正装置は、患者一人ひとりの歯型に合わせて作製された透明なマウスピース型の装置を、段階的に交換していくことで歯を動かす治療法です。
メリットは装置が透明で目立ちにくいことで、矯正治療中であることを他人に気づかれにくいです。
また、食事や歯磨きの際には自分で取り外せるため、衛生的で快適に過ごせます。

ただし、適応できる症例には限りがあり、重度の叢生には向かない場合があるほか、1日20時間以上の装着が必要など、患者自身の協力が不可欠です。

叢生の矯正治療で抜歯は必要?

叢生の矯正治療を検討する際、多くの人が「歯を抜く必要があるのか」という点を気にします。
抜歯は、歯をきれいに並べるためのスペースを確保する有効な手段ですが、全てのケースで必要になるわけではありません。
歯や顎の状態を精密に検査した上で、抜歯をするかしないかを慎重に判断します。

健康な歯を抜くことに抵抗があるのは当然ですが、抜歯をすることでより機能的で美しい歯並びを実現できる場合もあります。
治療計画について歯科医師とよく相談することが大切です。

抜歯が必要と判断されるケースとは

抜歯が必要と判断されるのは、主に顎の大きさに比べて歯が大きく、歯を並べるためのスペースが著しく不足している重度の叢生の場合です。
歯を抜かずに無理に並べようとすると、前歯が前方に大きく傾いてしまい、口元が突出した印象になる可能性があります。
抜歯によって十分なスペースを確保することで、歯を正しい位置に無理なく並べ、口元のバランスも整えることが可能になります。

一般的には、機能的に影響の少ない小臼歯を抜くことが多いです。

歯を削るなど抜歯をせずにスペースを確保する方法

軽度の叢生など、抜歯をするほどではないものの、少しだけスペースが足りない場合には、抜歯以外の方法でスペースを確保します。
代表的な方法が「IPR(ディスキング)」で、これは歯のエナメル質を健康に影響のない範囲(0.25mm程度)でわずかに削り、歯と歯の間に隙間を作る方法です。

その他にも、矯正装置を使って奥歯をさらに後方へ移動させたり、顎の骨がまだ柔らかい成長期の子供であれば、装置を使って顎の幅自体を広げたりすることで、歯を並べるスペースを生み出すことも可能です。

子供の叢生はいつから治療を始めるべき?

子供の歯並びに叢生の兆候が見られた場合、いつから治療を始めるべきか悩む保護者は少なくありません。
子供の矯正治療は、大人の治療とは異なり、顎の成長を利用できるという大きなメリットがあります。
治療を開始するタイミングは、子供の顎の成長段階や歯の生え変わりの状況によって異なります。

早期に歯科医師に相談することで、将来的な本格矯正の負担を軽減できる可能性があるため、気になる点があればまずは一度診察を受けることが推奨されます。

顎の成長を利用できる小児矯正(1期治療)

小児矯正における1期治療は、一般的に乳歯と永久歯が混在する6歳から12歳頃に行われます。
この時期は顎の骨がまだ柔らかく、成長段階にあるため、専用の装置を使って顎の健やかな成長を促したり、上下の顎のバランスを整えたりすることが主な目的です。

顎のスペースを広げることで、永久歯が正しく生えるための土台作りを行います。

永久歯が生えそろってから行う本格矯正(2期治療)

2期治療は、永久歯がすべて生えそろった後(おおむね12歳以降)に行う、大人と同じ本格的な矯正治療です。
1期治療で整えた土台の上に、永久歯1本1本をワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置などの装置を使って、正しい位置に精密に動かしていきます。

これにより、見た目の美しさはもちろん、機能的にも安定した噛み合わせを完成させることを目指します。
1期治療を行わずに、この2期治療から矯正を始めるケースもあります。

患者さまからの相談

叢生の治療に関するよくある質問

ここでは、叢生の治療を検討している方から寄せられることの多い質問にお答えします。
自力で治せるのか、治療後の後戻りを防ぐ方法、八重歯だけの治療は可能かなど、矯正治療に関する疑問や不安の解消に役立ててください。

Q. 軽度の叢生なら自力で治すことはできますか?

A. 結論から言うと、自力で治すことはできません。

歯を指で押したり、割り箸を噛んだりするような行為は、歯並びを改善する効果がないだけでなく、歯根や歯茎にダメージを与え、かえって状態を悪化させる危険性があります。
軽度の叢生であっても、適切な治療を受けるためには必ず歯科医師に相談してください。

Q. 叢生の矯正治療後に後戻りさせないための方法はありますか?

A. 矯正治療によって動かした歯は、何もしないと元の位置に戻ろうとする「後戻り」という現象が起こります。

これを防ぐためには、治療後も保定装置(リテーナー)を歯科医師の指示通りに決められた期間、正しく装着し続けることが不可欠です。

リテーナーによって歯並びを安定させることが、後戻りを防ぐ重要な方法です。

Q. 八重歯だけを治したい場合も叢生の治療になりますか?

A. はい、八重歯の治療は叢生の治療の一環です。

八重歯は歯が並ぶスペースが不足していることが原因のため、叢生の一種とされます。
八重歯だけの治療であれば部分矯正で対応できるように思われがちですが、部分矯正では改善できないことが多く、全体の噛み合わせを考慮して奥歯から動かす治療が必要となるケースがあります。

まずは歯科医師に相談し、適切な治療法を診断してもらうことが重要です。

叢生は、歯がデコボコに生えている歯並びのことで、見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病、噛み合わせの不調など、様々なリスクを伴います。
主な原因は顎と歯の大きさのアンバランスですが、幼少期の癖なども影響します。
治療法にはワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置などがあり、症状の程度や希望に応じて選択できます。

子供の場合は、顎の成長を利用した早期の治療も有効です。
自身の歯並びの状態を正しく理解し、適切な治療を受けるために、まずはご相談ください。